合宿免許が安い理由は？さらに費用を抑えるコツを徹底ガイド

運転免許を取得するには、主に自宅から近い教習所（自動車学校）に通いながら教習を受ける「通学」と、教習所が用意する宿舎に滞在しながら教習を受ける「合宿」の2パターンがあります。

どちらも教習時間や内容に違いはありませんが、合宿免許は通学より割安で済むケースがほとんど。時期やプランによっては、なんと10万円前後節約することも可能です。

そこで今回は、合宿免許がなぜ安いのかを徹底解説。安さの理由を解き明かすとともに、合宿免許のメリット・デメリットをお届けします。

記事の後半では、合宿免許の費用をさらに抑えるコツも紹介しますので、「少しでも費用を安く抑えたい」という方は参考にしてください。

合宿免許の費用が安い理由

通学免許の費用相場はAT限定免許で28万円程度、MT車で30万円を額超える金額となっていますが、合宿免許は5万円〜10万円近く費用を抑えることができます。「宿泊費や食費も必要なのに、安いのはなぜ？」「格安でも教習の質は大丈夫？」と不安に感じる人もいると思いますが、合宿免許の安さには明確な理由があります。

理由その１：教習所がスケジュールを管理しやすいから

通学免許の場合、教習生が自分の都合に合わせて、スケジュールを組みます。教習ごとにその都度予約する形になるので、繁忙期にはなかなか予約がとれず、全てのカリキュラムを終えるまでに2カ月以上かかるのが一般的です。

教習所側も、教習生の都合でスケジュールの埋まり具合が左右されてしまうので、人件費を最適化することができず、費用が高くなる傾向があります。入っていた予約をキャンセルされるとその分のコストが無駄になるため、キャンセル費を設定している教習所も少なくありません。

一方、合宿免許は期間中のスケジュールを教習所側が立ててくれます。卒業までに必要なカリキュラムが全て網羅されているので、教習生は予約をしなくてOK。スケジュール通りに教習を受けることで、学科・技能どちらも身につけることができます。

教習所側にとってもスケジュールを効率よく管理できるので、コストを最適化することができ、安い価格を実現しているのです。

理由その２：利用者の回転率がいいから

合宿免許は最短2週間という短期間で教習所を卒業することができます。通学では2カ月以上かかるのが一般的ですが、合宿免許は教習に集中できるため、効率よく免許の取得を目指すことができるのです。

これは教習生にとっても大きなメリットですが、教習所側としても短期間で教習生のサイクルを回すことができるので、継続的な利益が見込めます。

通学免許の場合は、多くの人が自分のペースで教習所に通います。卒業するためには、予約を取って必要な教習を受けなければいけないので、教習所側も生徒の都合に左右されるので、受け入れ状況も不安定です。

それと比べて、合宿免許は約2週間で教習生が入れ替わるので、回転率がいい分だけ利益率も上がり、料金を安くすることができるのです。

理由その３：都市部と比較して諸経費が安いから

教習所には、学科教習を受ける教室や技能訓練を行うドライブコース、教習に使う大小さまざまな車両を管理する駐車場といった設備が不可欠です。そのためには、広い敷地が必要であり、土地の価格が高い都市部の教習所ほど維持管理費が大きくなります。

なかには例外もありますが、合宿免許を受け入れている教習所は地方に多い傾向があります。地方は都市部と比べて地価が安いため、その分建物の建設費用や維持管理費を抑えることができ、結果として格安でサービスを提供できるのです。

また、比較的物価が安い上に、都市部と比べ人口の少ない地域では、通学生が減少傾向にあり、合宿で教習生を呼び込もうと、安価な料金を魅力に顧客獲得を狙うため、リーズナブルな合宿費用を実現できるのです。

合宿免許の参加にかかる費用とは

合宿免許の費用には、教習料金や教材費はもちろん、期間中の宿泊費や食費が含まれているケースがほとんどです。ただし、なかには別途費用がかかるものもあります。

ここからは、合宿費用に含まれているもの、そして追加費用がかかるものを解説していきます。

合宿免許の費用に含まれているもの

合宿免許の費用には、入学金・学科教習料金・技能教習料金・技能検定料（修検および卒検）といった必要経費が含まれています。こちらは、通学免許の場合も基本的には必要であり、一般的な費用総額に含まれているものです。

加えて、合宿免許のプランには期間中の宿泊費や食費も含まれます。そのため、取得する免許の種類だけでなく、宿舎の種類や食事の有無によってもプラン料金に差が出ます。

教習所では学んだことをきちんと習得できているか、適宜テストを行います。この時に不合格になってしまうと、追加教習や再試験を受ける必要性がありますが、合宿免許であれば保証が含まれているので追加費用がかかりません。そのため、「期間内に運転技術を習得できるか不安…」という方もコスト面の心配を軽減することができます。

また、合宿免許の参加にはエリア制限があり、例外はありますが、基本的には住民票・本籍地のある地域の教習所には入校できないケースがほとんどです。教習所までの交通費に関しては、全額もしくは一部を負担してくれる場合が多く、遠方に行く際は、交通費も大きな負担になるので補助の有無を事前に確認しておくと安心です。

話は少しずれてしまいますが、交通費や宿泊費を安く抑えながら非日常の環境で旅行気分を味わえることも、合宿免許が選ばれる理由の一つになっています。

合宿免許で別途支払いが必要な経費

続いて、プランには含まれておらず、現地で支払う費用をご案内します。

一つ目は、仮免許試験受験手数料と仮免許証交付手数料です。教習が進むと、教習所の敷地外の路上に出て運転の練習を行いますが、その際に必要になるのが仮免許証（通称、仮免）です。

初回受講には2,850円かかり、試験に落ちてしまうと再試験のたびに受験手数料1,700円がかかります。

ほかにも、滞在中のコインランドリーの利用料や日用品の購入費などちょっとした出費はつきものです。ATMが教習所や宿舎の近くにない可能性もあるので、少し多めに現金を用意しておくことをおすすめします。

合宿免許の費用をさらに安く抑えるコツ

合宿免許が安い理由をお届けしてきましたが、ここからはさらに費用を抑えるコツをご紹介します。「費用を少しでも抑えたい」「車の購入に向けて節約したい」という方は必見です。

コツその１：閑散期を狙って参加する

合宿免許に参加するためには、約2週間〜3週間のまとまった休暇が必要です。そのため、学生が長期休暇で参加しやすい8月〜9月、2月〜3月は繁忙期となり、合宿免許の費用は高くなる傾向があります。
反対に、4月〜7月、10月〜11月は比較的閑散期になるため、料金がリーズナブルに設定されています。休暇の融通がきく場合は、こうした時期を狙うことで費用を抑えることができます。

コツその２：宿泊プランを検討する

先ほども軽く触れましたが、合宿免許のプラン料金には宿舎の種類や食事の有無が大きく関連しています。「とにかく安く参加したい」という場合は、相部屋や自炊プラン、保証なしプランを選ぶことで合宿免許の中でも格安の価格を実現することができます。
ただし、知らない人との相部屋や自炊に慣れていないことで、ストレスが溜まってしまう可能性もあります。本来の目的である免許取得に向け、集中して教習に臨むためにも、自分に合ったプランを選びましょう。